収蔵資料
重要文化財
立山博物館には、別山山頂に安置されていたとみられる「銅造帝釈天立像」をはじめ、
剱岳や大日岳の山頂でそれぞれ発見された「銅錫杖頭附鉄剣」「銅錫杖頭《双龍飾》」が、
国の重要文化財として収蔵されています。
銅造帝釈天立像
- 総高:
- 55.0cm
- 像高:
- 50.0cm × 11.0cm × 12.0cm
冠や衣服、沓ともに中国風です。手に筆と巻物(帳面とも)を持っていたとされ、衆生(生けるもの)の善悪を記録する仏として尊崇を集めました。像の正面と台座に「寛喜二年」「大日本国越州新川郡圡田寺奉鋳」「立山禅頂」と刻まれていることから、鎌倉時代初期の寛喜2年(1230)に圡田寺の僧侶によって造られ、明治初めまで別山山頂に安置されたと考えられます。
銅錫杖頭 附 鉄剣
- 錫杖頭
- 寸法:長さ13.4cm、輪径10.9cm
- 鉄剣
- 寸法:長さ22.6cm、茎長2.0cm
明治40年(1907)、前人未踏といわれた剱岳の山頂で、陸軍参謀本部陸地測量部の柴崎芳太郎らによって発見されました。細部や遊環など失われた部分もあり、技術的なつたなさを感じさせるものの、力量感があり、素朴で味わい深い魅力があります。鉄剣は、両刃造りでいずれも平安初期の作と推定され、同時期の錫杖は全国に10点前後しかなく貴重なものです。
銅錫杖頭《双龍飾》
- 寸法:
- 高さ17cm、輪径11.2cm
明治26年(1893)に立山・大日岳山頂で発見されました。輪頂に蓮華座の宝瓶をすえ、中央部に宝珠を冠した竜頭が左右を向いて飾られているのが特徴的です。この錫杖頭は平安時代の作とされ、カミを山頂に降ろし神仏習合の霊山として結界するために奉納したと考えられています。